京都の家にあって、借りて読んだ
時は19世紀末、権謀術数渦巻く李氏朝鮮王朝宮廷に
類いまれなる才智を以て君臨した美貌の王妃・閔妃がいた。
この閔妃を、日本の公使が主謀者となり、日本の軍隊、警察らを王宮に乱入させて
公然と殺害する事件が起こった。
本書は、国際関係史上、例を見ない暴挙であり、
日韓関係に今なお暗い影を落とすこの「根源的事件」の真相を掘り起こした問題作である。
第一回新潮学芸賞受賞。
角田房子氏
フランス留学などを経て執筆活動に入った。綿密な取材、検証に基づき、甘粕正彦ら軍人や満蒙(まんもう)開拓団、ブラジル日系移民などをテーマにした作品を数多く発表。「責任 ラバウルの将軍今村均」で昭和60年に新田次郎文学賞、朝鮮王妃暗殺事件を追った「閔妃暗殺」で63年に新潮学芸賞を受賞した。
このほか、「悲しみの島サハリン」「甘粕大尉」など著書多数。
戦争前にソルボンヌに留学していた才女
ご冥福をお祈りします