今年初の映画鑑賞(TSUTAYA99円!喜!)
もう12年も前の映画になってしまっていたヴィンセント・ギャロ。
気になってました。過去を振り返っちゃうんじゃないかってくらい
気になってて、やっぱりドンピシャ…
まったく予備知識無しで観て、ものすごく後味の悪い映画だよ…おいおい
と思っていたら、全く違う。
これは「愛の物語」だとレビューされているけれど
アダルト・チルドレンで育った彼のはけ口だったようで、しゅうままはそちらから観てしまった。
絶対製作された12年前に観ていたら感じ得なかった。
この饒舌(本当によく喋る)で,悲しく(両親との絡み),しかし最後の、ほんと最後にがらっと変わるこの…コントラスト
とにかく。
ヴィンセント・ギャロにやられました。
しかし、運悪く囚われの身になった
クリスティーナ・リッチの演ずる彼女は
ヴィンセントをいつから
好きになっていたのだろう
「俺に触るな」
「お前なんてどうでもいいんだ」
「言われた通りにすればいいだけ」
M?
…
なんかなーなんかなああ
むっちりしたクリスティーナに親近感
そして意外なロザンナ・アークェット(まさかとおもったら)
そしてそして、ジャン・マイケル・ヴィンセント!
映画を観て初めて良いなあと思った外人だったビッグ・ウェンズデー。
老けたなあ(時はそれから12年経ち)
ギャロのダメダメぶりが
寅さんに通じるというレビュー発見★
言い得たり♪
プロフットボールのチーム、バッファローの大ファンの母親のもとに、バッファローが優勝した日に生まれたビリー。 母親は出産のせいで、せっかくの試合を見逃してしまったと、生まれたその日から彼は母親に嫌われる。 彼の人生は、不運そのもの。 自分達にしか興味が無い両親に育てられ、学校ではモテナイし、唯一の友達は、半ば知恵遅れ。挙げ句、フットボールの賭けに負けて巨額の負債を負い、それが払えないために、5年間刑務所に入るハメになる。
ここまではキャラクターの前歴で、映画はビリーが出所するところから始まる。ビリーは通りすがりのレイラを誘拐し、自分の妻と名乗らせ、両親と再会する。 そのあと、自分が刑務所に行く原因を作ったフットボール選手への恨みをはらしに行く。
不運な生い立ちのせいで、自尊心ゼロ。 愛されることを知らない、希望を持つことも知らないビリー。彼を救うのは天使しかいないのです。その天使が現れたんだからスゴイ。 クリスティナ・リッチが扮するレイラはまさにソレ。 (あのプクプクムチムチした体型もキューピーちゃんのようだし。)
「俺の妻のように振る舞うんだ、俺を愛してるように振る舞うんだ、俺無しではいられないって風に振る舞うんだ。もし出来なかったら、その場で、絞め殺すぞ。俺のパパとママのまえでギュっとだそ。ちゃんと演技できたらな、そしたら俺の友達にしてやる。 」
とか「俺は、オートマしか運転できないんだ。 何でか解るか? ギアシフトは貧乏人の車だからさ。俺の高級車しか乗った事が無いからさ。」
とか、脅しも自慢も小学生レベルで、威嚇してるだけってことがバレバレの誘拐犯ビリーのセリフはかなり笑えます。こんなアホらしい言葉にも、彼の自尊心を傷つけることなく、天使は黙って聞いてあげるのです。
ビリーの両親の家での夕食は、爆笑モノ。 レイラはビリーを誉めちぎるし、ビリーの両親はテレビに夢中で全然それを聞いてない。ビリーは、レイラがあまりにも自分をヨイショし過ぎて、逆に信憑性が無くなったと後で彼女で責める。
息子に全く関心が無い両親は、レイラがどう誉めようが関係無いんだけど、やはりビリーは両親の評価がとっても気になるんです。これって、愛の無い家庭で育てられた子供の宿命みたいなものです。
ビリーとレイラが三分間写真を取るシーンは、とても印象的。 ビリーの緊張に満ちた表情と対照的なレイラの無邪気さ、素直さ、優しさ、このシーンが映画の全てを語ってます。
ブラックユーモア満載で、それでいて、ヒシヒシと切なくって、愛もあって、ほんとに、いい映画でした。 監督、主演、脚本、音楽を全部一人でやったヴィンセント・ギャロ。 これで終らずもっと映画作って欲しいです。
http://www.geocities.jp/obobsyco/usa/1998/usa1998.htm