葉もなく突然。
不気味だけど好き。
2007.10.13
たしか長岡造形大学のキャンパスにて撮影
図書館で借りた絵本【きつねの花火】
こけし造りを生業にする若者
一番大切にしている「こけし」は亡くなった母の形見
こけしは野に咲く赤い花が見たいと呟く、ここは貧しい山の中の村、花は咲かない村
村に現れた泥棒が大事なこけしを盗んで行くが、そのこけしの唄が泥棒を涙に誘う
盗まれた若者はさまよい歩く
野の神様が憔悴した若者のために、きつねたちに赤い花に化けさせた
花の中で寝入った逃げる泥棒の髪を、花に化けたきつねたちは剃って行く
丸められた頭の泥棒は村を後にし,若者はこけしを取り戻す
こけしは赤い花を見て喜ぶのだった
にやり…
那須田実氏の文章に久米宏一氏の木版画
那須田氏の幼少時に過ごした満州で「きつねのかみそり」は咲き乱れていたそうだ
彼岸花の仲間だけれど,派手でなくすっきりしているのだそうだ
氏の父親がこの花が好きで,この物語をよく聞かせてくれたそうである
すべてが異常になり,空気すら安心して吸えないこの時代に
やさしいこの話を贈りたいと思って一冊になったらしい
1972年の発刊…約40年前に下線部記述…